腰痛って本当に辛いですよね。湿布やコルセットを使うと一時的にしのぐことは出来ますが、改善までにはなかなか至りにくいですよね。
そして整形外科や整骨院に行くと、再発予防のために腹筋や背筋を鍛えるように言われたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし…
「腰を支える筋肉を鍛えるのが大切なのは分かるけど、家で腹筋なんて出来ない」
「そもそも運動は苦手」
そんなあなたには、これからご紹介するヨガがお勧めです。
なぜなら筆者がヨガを始めたきっかけが、腰痛改善だったからです。
そこで今回はヨガと腰痛の関係について、体験談を交えてお伝えしていきます。また腰痛に良いと思われるヨガのポーズもご紹介していきますので、ぜひお読みください。
そもそも腰痛の原因は何か
なんと、原因不明の腰痛が85%を占めるそうです。
Deyo RA et al: What can the history and physical examination tell us about low back pain?
JAMA 268: 760-765, 1992
一方、原因が特定できるものは、椎間板ヘルニアや圧迫骨折、そして筆者が患った腰痛狭窄症などとのこと。
これは意外ですよね。
一般的に腰が痛くて病院に行くとレントゲン検査がありますが、レントゲンで写るのは骨です。ですので骨に異常がなければ、腰痛の原因と特定することは難しいのでしょう。
となると、腰痛は筋肉や神経などに何かしらの炎症が起こって発症するものだと考えられますよね。
例えば椅子に座ったまま同じ姿勢が長時間続いたり、重い荷物を持ち上げたり。日常の何気ない動作が複合的に絡み合って腰痛に影響していると考えるのが、理にかなっているでしょう。
腰痛を改善するために必要なもの
原因から考えると、腰痛改善には筋肉や神経に生じる炎症を防ぐと良いということになります。
①筋肉への炎症対策
炎症は、いつも使わない筋肉を急に使ったり同じ筋肉を酷使しすぎることで起こります。なぜなら筋肉の繊維に傷がつくからです。
なので日頃から腰回りの筋肉を鍛えておくと、腰にかかる負荷を軽減できるでしょう。
②神経への炎症対策
神経は難しいところですが、ストレスの緩和が大切のように思います。
そもそも神経には中枢神経と末梢神経がありますが、末梢神経の自律神経はストレスによる刺激も受けやすい神経です。
そうは言ってもストレス自体をなくすことは難しいですよね。ご自身がストレスとうまく付き合っていく方法を見つけることが大事でしょう。
ヨガに期待できる効果〜腰痛との関係〜
ヨガには腰痛改善にために必要なものが備わっています。
まず筋力アップです。呼吸をしながら様々なポーズをとっていきますが、ヨガでは筋肉を鍛えるためのポーズも多く登場します。
特に、腰回りを支えるのは腹筋と背筋です。なので腰回りの筋肉を鍛えることが大切なのですが、運動が苦手なあなたでもヨガで無理なく鍛えることが可能です。
というのも、ヨガは誰かと比べるものではなく自分と向き合うもの。周囲の目を気にせず、自分のペースで勤しむことが出来るのも最大の魅力でしょう。
また精神の安定にも役立つのがヨガです。
ヨガの呼吸は交感神経と副交感神経のバランスを整えるので、気持ちも安定しやすくなります。気持ちが安定するとストレスともうまく付き合えるようになりますね。
まとめると、ヨガをすると体(筋肉)と心(ストレス)の両面から腰痛改善に役立つと言えます。
ヨガで腰痛が治った?体験談を紹介
振り返れば、最初にぎっくり腰を患ったのは20代後半でした。
つまり腰痛歴は20年ほど。何度も腰痛を繰り返し、40代半ばでコルセット生活をしていた私の体験談。少しお付き合いください。
腰痛からの解放を求めてヨガへ
先ほどもお伝えした通り、筆者は数年前に腰椎狭窄症(※)と診断されました。
(※)椎間板が変形して背骨から骨が突出。神経が圧迫される病気。
もともと運動習慣はなくいつでも車。20代前半からぎっくり腰を繰り返し、腰の高さは左右不均整。骨盤の歪みは自分でわかるほど明らかでした。
そして腰椎狭窄症。
とにかく痛い。ちょっとした振動でもとにかく腰に響いて痛く、起きあげれないこともありました。
当時受診した整形外科で電気治療も運動指導も受けました。が、先生からは痛みが少し落ち着いたらとにかく運動するように言われ…痛みからの解放を求めて、やっと重い腰をあげることに。
スポーツジムやスイミングスクールも考えたのですが、なんせ運動は苦手…。まず自分に出来るか、そして続けることが出来るか悩んでいました。
そんな中、自宅近所のホットヨガスタジオの看板を目にしました。
ヨガ=緩やかに動くイメージだったこともあり、私にも出来るのではないかと。思いきって体験に行ったのがヨガとの出会いです。
ヨガで腰痛は改善されたのか
私の場合は腰椎に問題があるので改善したとは言えませんが、ヨガを始めてからこの4年、腰に大きな痛みは出ていません。
湿布やコルセットを使用することもなく、状態はとても良いです。今では腰に全く違和感を感じることなく過ごせています。
しかし、最初はあぐらで座ることも出来ない状態からのスタートでした。インストラクターの先生も心配するほどだったのですが、続けるうちに姿勢も整いました。
ヘルニアにも効く?
ヘルニア(※)でお悩みの方もいらっしゃると思いますが、ヘルニアに効果があるとは言い切れません。
(※)ヘルニアとは臓器や体の組織が突出する病気の総称
ヨガにチャレンジする前に、整形外科などで先生に相談することをお勧めします。
腰痛改善に役立つおすすめのヨガポーズ5選
筆者が実際にヨガをする中で、「これは特に腰痛に役立っている!」と感じているポーズをご紹介しましょう。
ガス抜きのポーズ(腰痛の緩和)
整形外科で理学療法士さんに教えていただいた腰痛緩和のストレッチでも、同様のポーズがありました。
①背骨を床につけるようなイメージで仰向けで寝て、両膝を立てます。
②両膝を胸に引き寄せ両手で抱えます。お腹と太ももを近づけ5秒キープです。
ダウンドックポーズ(腰の違和感解消)
両手、両足で地面を踏みしめ、全身を伸ばすポーズです。腰が気持ちよく伸びます。
①正座の姿勢から上体を前に倒し、頭を床につけます。両手を肩幅に開いて前に伸ばします。
②足指を立てて手で床を押します。
③息を吐きながらお尻を持ち上げ、膝を伸ばします。手で床を強く押して背中を伸ばします。
トラのポーズ(骨盤の歪み解消)
呼吸に合わせて股関節と背骨を動かします。骨盤の歪みによる腰の痛みに効果があると感じたポーズです。
①四つ這いの姿勢から息を吸いつつ背中を反らして、左足を上げ、斜め後ろに伸ばします。視線は斜め上。
②息を吐きながら背中を丸めてお腹を縮め、頭と左足の膝を引き寄せます。
③①と②を3セット繰り返し、右足も同様に行います。
半分の魚の王のポーズ(骨盤の歪み解消)
体をねじって背骨から骨盤にかけての歪みを整えるポーズです。
①両足を伸ばして座り、骨盤を立てて背筋を伸ばします。左膝を立て、左脚の外側に置きます。
②上体を左にねじり、右腕を左脚の外側にかけ、左手をお尻の後ろに置きます。反対側も同様に行います。
※腰に痛みがあるときは大きくねじらず、背中を伸ばすことに意識を向けると良いでしょう。
太陽礼拝(腰痛の再発予防)
呼吸に合わせて動く太陽礼拝。全身をくまなく動かせます。
太陽礼拝は心身をリフレッシュさせてくれるだけでなく、腰を伸ばしたり腹筋や背筋を使うポーズもあります。ヨガに少し慣れた頃、腰痛の再発予防にお勧めです。
【太陽礼拝】
1)両脚を揃えて胸の前で合掌。
2)手を上に上げて頭上で合掌。
3)両手を下ろして前屈。
4)上体を半分起こして両手を伸ばす。
5)両手を床につけ、脚を後ろに引く。
6)膝を床に付けて肘を曲げる。
7)上体を反らす。
8)お尻を持ち上げて手足を伸ばす。
9)上体を半分起こして両手を伸ばす。
10)両手を下ろして前屈。
11)手を上に上げて頭上で合掌。
まとめ
以上、今回はヨガと腰痛についてお伝えしました。
筋力アップやストレス解消に効果的なヨガは、腰痛改善に効果的と言えます。
なお、ご紹介したポーズに中でも「ガス抜きのポーズ」は自宅でも始めやすいです。
腰痛に悩んでいるあなた、ぜひヨガを始めてみてください!
■参考文献
独立行政法人 労働者健康福祉機構 関東労災病院 勤労者筋・骨格系疾患研究センター「治療と職業生活の両立等の支援手法の開発」のための事業
厚生労働省 e-ヘルスネット 自律神経失調症
こころとカラダが変わるYoga 池田書店 ホットヨガスタジオLAVA監修
日本整形外科学会 腰部脊柱管狭窄症