ウェブや本などでよく紹介されているアーユルヴェーダ。言葉は聞いたことがあるという方は多いと思います。
しかし
「アーユルヴェーダってよさそうだけど、なんだか難しくてよく分からない…」
今、当記事を読んでいるあなたは、少なからずこのような気持ちがあるのではないでしょうか?
そこで今回は、アーユルヴェーダについて解説していきます。主には考え方、診断方法を中心にお伝えします。
なお、後半にはアーユルヴェーダの体質チェック表があります。さて、あなたは何タイプでしょう?
アーユルヴェーダとは?
アーユルヴェーダとはインドの伝統医学のことです。そして現存する伝統的な医学の中では、最も古いと言われています。起源は、今から3500年以上前にさかのぼるそうですよ!
ただ、知っておきたいのは「アーユルヴェーダという単語=伝統医学」ではないことです。
アーユルヴェーダを直訳すると、生命の科学。今っぽい言い方をするならば、ライフサイエンスですね。
ライフサイエンス:生物の基本的な原理としくみを理解し、健康維持や疾患治療などに役立てることを目的としたもの
つまり、病気の治療だけを目的にしているわけではなく、予防や健康の維持増進、さらには若返りなどにも及ぶ訳です。
さらに興味深いのは、アーユルヴェーダが生き方の知恵まで教えてくれること。
例えば私たちには「個人差」がありますよね。その個人差を、アーユルヴェーダでは遺伝子的な要因と後天的な要因で捉え、個々に応じた生活の仕方、生き方を解いています。
個人差に応じた生活のポイントやコツを知れるのが、アーユルヴェーダなのですね。
アーユルヴェーダ式!心と体の法則
私たちの体は朝でも晩でも、夏でも冬でもいつでも同じと思いがちですが、実は違います。例えば体温は早朝や朝は低く、午後から夕方にかけて高くなっていきます。血圧も同様ですね。
また思考力は午前中の遅くに高くなり、午後早い時間に落ち込んでいきます。
そして五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)は午後遅くから夕方にかけて鋭くなっていくのです。
時間感覚は体温が低い時には速く、体温が高い時には遅く感じると言われます。このように、体と心には一定の法則があるとするのもアーユルヴェーダです。
そしてこの法則に関わるのが、エネルギー。詳しく見てみましょう。
体と心のエネルギーについて
アーユルヴェーダでは、心と体はエネルギー(ドーシャ)が支えているとされています。脈や呼吸、感情などは、エネルギーのバランス状態によって起こると考えられているのです。
具体的には、体を支えるエネルギーには3つ、心を支えるエネルギーは3つあります。それぞれが密接な関わりの中で、変化や調和を生み出しています。
体を支えるエネルギー
それぞれのエネルギーには性質や特徴があります。
風のエネルギーでるヴァータは空と風から構成され、軽・冷・動・速・乾燥の性質をもち、運動のエネルギーとして体内循環や浄化、異化作用(細胞を分解する働き)を制御しています。
また火のエネルギーであるピッタは、火と水から構成され、熱・鋭・軽・液・微油性を持ち、変換のエネルギーとして代謝や消化を制御しています。
最後に水のエネルギーであるカパは水と地の元素から構成され、重・冷・遅・安定性をもち、結合のエネルギーとして構造や体力を維持し、同化作用(細胞を作る働き)を担います。
この3つのバランスが取れていれば健康、つまりアンバランスならば不健康という考え方が、アーユルヴェーダなのです。
心を支えるエネルギー
心を支えるエネルギー(ドーシャ)も3つあります。そして、同じ性質のものが同じ性質のものを増やします。
例えば、動性のラジャスが増えすぎると、活動的になりすぎたりします。一方、惰性のタマスが増えすぎると、活動が停滞したりするのです。
ただ、サットヴァは純粋性なので、バランスや調和に役立ちます。
あなたのタイプは?アーユルヴェーダで診断してみよう
それでは、あなたの体質の傾向を診断してみましょう。
下記には30個の質問があります。一番、自分に合うと思うものをチェックしてみてください!2個か3個当てはまる場合は全てチェックし、どれも当てはまらない場合やよく分からないものは飛ばしてO Kです。
いかがですか?合計が最も多いものが、あなたの体質傾向です!
当てはまった箇所に関する内容は、下記にまとめていますので読んでみてくださいね。
ヴァータ
ヴァータさんは冷たくて動性というのが特徴です。体格は華奢でスリム、身長は低めか細くて高め。卵形ののっぺり顔で皮膚は冷たく乾燥気味。血管や靭帯が浮き出ています。
バランスが取れている時は活発で機敏な動きができます。かなり頑張れるのもヴァータさんの特徴です。
しかしバランスが崩れると、便秘や肩こり、腰痛、生理痛に悩まされることに。不眠にもなりやすい傾向があります。
心の面では、バランスが良い時は機敏で想像力が豊か。順応性も高く記憶力も抜群なのですが、バランスが崩れると不安に駆られ、緊張状態が続くことも。心配性になりがちです。
カパ
カパさんには安定と重さ、滑らかさという特徴があります。肉体労働や運動に耐え、持久力があります。グラマーな体型でしっとりした黒髪、目は大きくまつ毛も長いです。色白で滑らかな皮膚、筋肉も発達しています。
眠ることが好きなので、放っておくといつまでも寝ています。
しかし一旦アンバランスになると、だるさや眠気が惰性が強くなります。アレルギー性鼻炎や痰が多くなることも。
心の面ではバランスが整っている時には落ち着いていて献身的、穏やかで慈愛に満ちています。辛抱強く、物事をやり遂げるのもカパさんの特徴です。しかしバランスが乱れると、思考力が低下して大雑把になりがちです。
ピッタ
ピッタさんには熱性がありますので、性格は情熱的です。中肉中背でスタイルが良く、均整の取れたプロポーションを持っています。
また闘志や敵対心に溢れるような目をしています。髪は細くて柔らかです。便秘することは滅多にないようですが、下痢に悩まされることが多いでしょう。
行動力がありつつ無駄がないので、リーダー向きです。
そんなピッタさんのバランスが崩れると、怒りっぽくなります。目の充血、蕁麻疹、消化不良になりやすいです。
心の面ではバランスが良い時には情熱的で知的です。さらには勇敢で機転がききます。一方、バランスが崩れると短気で怒りっぽくなります。
まとめ
アーユルヴェーダの考え方はご理解いただけましたでしょうか。
体質チェックの結果は、「当てはまることが多くて驚いた」という声が聞こえてきそうです。
このような考え方が3500年以上も前に存在していたとは、本当に驚きですね!
【参考文献】
山と渓谷社 アーユルヴェーダ入門 西川眞知子著